コレクション: 加藤 喜道

栃木県高根沢

  • 陶器

栃木県高根沢町を拠点に活動する、陶芸家・加藤喜道さん。
一つひとつ丹念に描かれた赤絵の器は、細やかな模様を持ちながらも、料理や食卓にすっと馴染む佇まいを見せます。
穏やかな語り口の奥に、探究心と静かな挑戦心を秘めた作り手です。

 

暮らしの中で、使われるための器

加藤さんの器づくりの根底にあるのは、「暮らしの中で使われること」へのまなざしです。
器は飾り物ではなく、料理と出会い、人がいて初めて完成するもの。
食卓という景色の中で、静かに役割を果たす存在でありたい——そんな考えが、作品の随所ににじみます。

ひとりの食卓であっても、自分自身を思いながら整えることで、その場は豊かな時間になる。
器は、人と人の間に置かれるものであり、想いを受け止める道具なのだと、加藤さんは考えています。

 

赤絵がつくる、日常の「ハレ」

赤絵の器には、「ハレの日」という印象があります。
けれど加藤さんは、特別な日に限らず、日常の中で使うことで、いつもの一日が少しだけ「ハレ」に変わると語ります。

好きな器や服、音楽など、自分の好きなものが身のまわりにあるだけで、もうすでにハレの日。
加藤さんの赤絵は、そんな日常の感覚にそっと寄り添い、食卓を静かに彩ります。

 

決めすぎず、探し続けるという姿勢

模様や色、形に、あらかじめ決めた型は設けていません。
昔の陶器や着物、街角で見つけた模様などをきっかけに、「面白い」と感じたものを描き続けるうちに、それらは少しずつ自分の模様へと変わっていきます。

今もなお、新しい表現や素材を探りながら、制作を続ける加藤さん。
決めすぎないこと、探し続けること。その姿勢こそが、器に奥行きと広がりをもたらしています。

プロフィール

1963年|栃木県生まれ
1991年|栃木県窯業指導所卒
|九州にて修業
1996年|「喜峰洞」築窯
現在|栃木県高根沢で作陶

作品一覧

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