うつわについて
一口に陶磁器といっても、素材や製法は多種多様なのがやきものの魅力です。
また、機械による大量生産ものとは違い、様々なゆらぎが生じるのも手仕事品の面白さです。
当店の手仕事品をお選びいただく前に、是非ご一読ください。
うつわは時間とともに育っていきます。
使っていく過程で変化していくうつわの魅力をより愉しんでいただけるよう、このページでは一つ一つ異なる作風について説明をさせていただきたいと思います。
陶磁器のできるまで
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陶磁器は陶土(磁土)から形を形成し、釉薬を施し1200~1300℃の高温で長時間焼成することで完成します。釉薬を掛けない無釉の焼締め陶もあります。
陶土(磁土)は運搬技術の発展でどこに住んでいても全国各地から入手可能になっているため、益子で作られている作品であっても実際に制作に使われている素材は様々です。もちろん益子で採れる粘土を使う作り手も多くいます。
釉薬は作り手自身が自分で調合する場合が多く、それぞれの作り手の特徴がよく現れる代表的なものです。
焼成窯は電気・ガス・灯油・薪が代表的な種類ですが、どれが良いというものではなくそれぞれに長所短所があります。作り手がどんな作品を作りたいかによって選んでいます。
粘土・釉薬・窯(+絵付けなどの装飾技法)の組み合わせはまさに無限大といえます。
釉薬陶器・焼締め陶器
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釉薬は陶磁器の強度を高め、吸水を防ぎ、作品に装飾を施す役割があります。
前述のように作り手の特徴を表すものでもあります。
一方、釉薬を掛けずに高温で長時間焼き上げることでうつわ自体の強度を高め、土味を最大限に引き出すのが焼締め陶器です。
釉薬陶器とは違い、表面がざらついたり、形が均一でなかったりと、使用にあたってはハードルが高い部類にはなりますが、その荒々しい雰囲気はやきものの醍醐味を最大限に味わえるものです。
形の歪み
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いわゆる機械で作る大量生産ものとは違い一つ一つ手作業で作るため、形が微妙に異なります。また、高温で焼成されるため、焼き上がりで形に微細な歪みが生じるのは自然なことです。
もちろん使用に差し障りが出る程度のものは販売出来ませんが、多少の歪みは形のゆらぎとして楽しんでいただければと思います。
鉄粉
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土の中に含まれる鉄分が焼成によって表面に浮き出てきているようなものです。
最終的な仕上がりや作風によってその是非は分かれますが、基本的にはこれもやきものの表情の一つとして捉えてください。
御本手
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主に粉引作品(鉄分を含んだ陶土に白化粧を施す作風)の表面に現れる、淡いピンクの斑点模様のことをいいます。
焼成によって得られる変化でやきものの魅力の一つとして古くから喜ばれています。
狙ったとおりに出すことが難しく、まさにやきものの面白さといえます。
貫入・ピンホール
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焼成時~焼成後の釉薬と土との収縮差などによってやきものの表面に生じるヒビが貫入です。
自然発生的に生じるものがほとんどですが、装飾の方法として狙って出す場合もあります。使用方法や貫入の大きさ、キメの細かさにもよりますが、使っていく内に貫入には汚れが染み込んでいくものです。それもうつわが育つ過程と思って愛でていただければ嬉しいですが、気になる場合は使用前に水に浸してから使う、使った後はできるだけ早めに洗い、しっかり乾燥させてから保管する、など注意して使ってみてください。
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釉薬の表面に生じる小さな穴がピンホールです。原因は様々ありますが、最終的な仕上がりや作風によってその是非は分かれます。
釉流れ跡
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釉薬による表現の一つとして高温焼成時に流れを生じさせるものがあります。
焼き上がりで綺麗に流れを表現できたものは非常に美しいものです。
ただし、止め時を間違うとすべて下に流れて棚に張り付いてしまい、作品が台無しになってしまうリスクのある表現方法です。
そのリスク.を減らすため高台に目土を打ち、釉薬で作品が棚に張り付かないよう浮かせて窯詰めを行います。
焼成後、その跡を削ってきれいに仕上げますが、その仕上げ跡が残ります。
これもまたやきものの見どころの一つとして捉えてください。
上絵・金彩・銀彩
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上絵・金彩・銀彩は一度焼き上げた作品の上にさらに顔料を乗せ、再度低温で焼き付けることで定着させます。
やきものの装飾技法として古くから喜ばれています。
上絵のあるうつわは表面が繊細ですので金だわしなどで強くこするようなことはけしてしないでください。また、金彩・銀彩のあるうつわは特殊な事例をのぞいては電子レンジではスパークを起こしますので絶対に使用しないでください。
高台
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やきものの見どころの一つでもある高台ですが、仕上げの段階で若干のガタツキが生じることもあります。多少のガタツキやザラつきが気になる場合はサンドペーパーや砥石で磨いていただくことで気にならなくなります。
その他、キズ・ヒビ・付着物など ※掲載するかどうかの判断は任せます。
基本的に使用に差し障りの出るもの、みるからにキズと認識できるものはNGとなります。
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